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唐楽を伝えた異国の楽師
- gagakuasia
- 2014年5月28日
- 読了時間: 1分
今から4年ほど前に 奈良の西大寺の境内から土器が発掘されました。
一時話題になりましたので、ご存知の方もいらっしゃると思います。

この土器には「皇甫東朝」 という墨書がありました。
皇甫東朝(こうほとうちょう)は 天平八年(736)に遣唐使 中臣名代らと共に来日した唐人で、天平神護二年(766)の法華寺舎利会に皇甫昇女とともに唐楽を演奏したという記録が、『続日本紀』に記されています。
この時帰国した遣唐使団には、林邑の僧・仏哲もおり、まさにアジア中の歌舞がもたらされた時期だったのですね。
皇甫東朝はその後、称徳天皇のもとで雅楽寮の次官として活躍し、雅楽寮員外介花苑司正という役職に就いています。
ちなみに皇甫氏というのは、古代中国では宰相を輩出する名族であるといいます。
まだまだこの人物については謎が多いようですが、唐楽の伝来に大きな影響を持つ人物であることは間違いなさそうです。
(参考)
(記事内容を参照および画像引用)
『続日本紀』巻第十二 「天平八年十一月戌寅」来日した皇甫東朝の記事
同 巻第二七 「天平神護二年十月癸卯」皇甫東朝と皇甫昇女の唐楽演奏記事
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