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雅楽企画事典

 

雅楽の催しを企画される際にご覧ください

 

   

 雅楽についての解説はこちら「雅楽について」をご参照ください。

 

 

【用語編】

 

■管絃(かんげん)

器楽演奏を指す。舞はありません。

笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)・鞨鼓(かっこ)・太鼓(たいこ)・鉦鼓(しょうこ)・楽筝(がくそう)・楽琵琶(がくびわ)を用いて演奏します。

 

■歌謡(かよう)

雅楽器の伴奏による声楽曲。朗詠(ろうえい)・催馬楽(さいばら)・神楽歌(かぐらうた)など。  

■舞楽(ぶがく)

楽器の伴奏に舞がつくもの。

唐楽の場合には笙・篳篥・龍笛・鞨鼓・太鼓・鉦鼓によって、高麗楽の場合には、篳篥・高麗笛・三ノ鼓・太鼓・鉦鼓により伴奏をします。

また舞人の人数は楽曲によって異なります。(1~4または6人)。

舞の種類には、ゆったりとした平舞(ひらまい)と、勇壮でテンポがより軽快な走舞(はしりまい)があります。

特に雅楽を初めてご覧になる方を対象にされる場合には、面をつけて勇壮に舞う「走舞」をお勧めします。

【演奏編】

 

■楽器の種類

管楽器(笙・篳篥・笛の三管)、打楽器(鞨鼓・太鼓・鉦鼓の三鼓)、絃楽器(楽琵琶・楽筝)があります。

旋律を奏でるのは管楽器で、打楽器、絃楽器は主に拍子を担当します。

  

■演奏者の人数

管楽器演奏は3名ずつ、絃楽器は2名ずつ編成するのが現行雅楽では一般的ですが、演奏規模やご予算に応じて少人数編成での演奏もお受けしています。(上記目安人数は管楽器1名ずつ、絃楽器を除いた編成でのものです。)

少人数で演奏者を編成する場合には管楽器、打楽器そして絃楽器という優先順位になります。

儀式や寺社の祭典、また小規模な会場や催事などでの楽曲演奏の場合には、笙・篳篥・笛の管楽器を中心に3名以上、打楽器なを加えた小規模編成でのミニコンサートなどでは管楽器、打楽器を中心に6名以上、舞楽などを伴なう中規模以上の公演の場合には10名以上が目安となります。  

 

 

【必要な環境や設備、スタッフ編

 

●演奏環境

昨今、雅楽は「ヒーリング音楽」「癒やしの音色」などと言われることも増えていますが、演奏の音量は大きめです。

また、舞楽をご希望の場合には、上演可能なスペースや足場が必要ですので、お問合せの際にご相談ください。

●音響

雅楽は古来、野外で演奏されてきました。また楽器の性質から、演劇や演芸など人間の声を主とした劇場やホールが比較的適しています。したがって残響時間の長いコンサートホール(2秒以上)などでは音が響きすぎないよう、工夫が必要です。基本的には、特殊な環境下の場合を除いてはマイクでの調整も不要です。

●雅楽舞台

伝統的に雅楽公演を行う際には、専用の舞台を設営します。

ホールや劇場などでは、ステージ上に三間四方(540×540㎝)の平台を組み、

その上に地敷(じしき:絹製の緑布)を敷いて打ち留め、(※1)

その周囲に半間幅の白い布をめぐらせます。

さらにその外側に高欄を設置するため、おおよそ四間四方(720×720㎝)

サイズとなります。また舞台後方には「楽所幕(がくそまく)」を、

舞台左右又は後方に「楽舎(舞楽上演の際に楽器演奏をおこなう場所)」を設置します。

ただ、企画内容によっては必須ではありませんので、会場サイズにあわせて設営します。

 

※1、留め板を使い、仮釘で固定します。

 

 

 

 

●楽屋(控え室)

特に舞楽がある場合には、舞台から近い位置に装束に着付けができる控え室が必要です。

 

●装束方(衣紋スタッフ)

特に舞楽を上演する際には、舞人装束の着付けを担当する「装束方」が演奏者とは別に必要です。

舞人が1~2人の場合には1乃至は2名。4名以上の場合、又は舞楽演目が2曲以上に渡る場合には2名以上が必須です。

 

●舞台スタッフ

正式な雅楽舞台を会場に設営する場合には、設営スタッフ(2~3名)が必要となります。

 

●大太鼓(だだいこ)

大太鼓をご希望の場合には、そのための予算(楽器の借料、運搬量、太鼓店の専属職人人件費)が別途必要です。 

大太鼓は大鉦鼓とのセットで、左右あります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●火鉢または電熱器

管楽器の笙の演奏には、楽器を温めて演奏するために炭火で楽器を焙ります。

本来は炭火を用いますが、近年では消防法などの関係から電熱器で代用しています。

​○笙という楽器について詳しくはこちら

★著作権について

三田徳明雅楽研究会が上演する雅楽の演目については、全演目が著作権が発生しない(保護期間満了)、「古典楽曲」のみとしております。現代曲および自作の創作曲など、著作権手続きおよび著作権料の納入が必要な楽曲は一切扱っておりません。この点につきましては、どうぞご安心ください。

 

笙に用いる火鉢
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大太鼓を設えた舞台

​ウェスタ川越レクチャー公演2019

唐楽・高麗楽の楽器編成
雅楽舞台
電熱器
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