朗詠・催馬楽 ―雅楽の声楽-

          ろうえい        さいばら

 雅楽が成熟期を迎えた平安時代後期、社交の具でもあり、酒宴の楽しみ、そして恋愛に一層の深みを加える必須のアイテムとなるなど、貴族たちには切っても切れない存在となっていました。

 なかでも、管絃と同じく平安貴族の必須の教養であった、漢詩・和歌は雅楽と結びつき、新たなジャンルとして発達を遂げていきました。

朗詠(ろうえい)

漢詩に節をつけて雅楽器の伴奏でうたう。『和漢朗詠集』などに残るが、現在旋律がわかっており、上演が可能な楽曲は15曲である。

紅葉(こうよう)、春過(はるすぎ)、二星(じせい)、新豊(しんぽう)、松根(しょうこん)、嘉辰(かしん)、徳是(とくはこれ)、東岸(とうがん)、池冷(いけすずし)、暁梁王(あかつきりょうおう)、九夏(きゅうか)、一声(いっせい)、泰山(たいざん)、花上宴(はなじょうえん)、十方(じっぽう)

 

催馬楽(さいばら)

和歌に節をつけて、朗詠と同じく歌うもの。呂・律に分かれかつては数多くの楽曲が歌われてきたが、現行で演奏されるのは、安名尊(あなとうと/あなとう)、蓆田(むしろだ)、簑山(みのやま)、山城(やましろ)、伊勢海(いせのうみ)、更衣(ころもがえ)、美作(みまさか)、田中井戸(たなかのいど)、大芹(おおせり)、老鼠(おいねずみ)の11曲である。

嘉辰令月 歓無極 万歳千秋 楽美央

(かしんれいげつ かんむきょく 

ばんせいせんしゅう らくびおう)

    朗詠『嘉辰』